953 Paris-Dakar Rally 1984


1984年のパリ・ダカール・ラリーにポルシェは3台の 953を参戦させました。 953は一見普通の911のようですが、開発段階の四輪駆動システムが組み込まれ、911の4輪駆動化の有用性を検証するための実験的な車両でありました。そのため953は 911 4×4 と呼ばれることもあります。 搭載される3.2リッターエンジンは300馬力程度に強化され944から流用したプロペラシャフトを組み込んで四輪駆動化されました。 ドア、ルーフ、フロントフェンダーなどにポリカーボネートを採用するなど徹底した軽量化により、4駆化による重量増を相殺し、車重は1,240Kg程度にまで抑えらていました。 無給油で走破できる距離を延ばすため、フロントの120ℓの燃料タンクに加え、150ℓの燃料タンクがシート後方に設置されています。

1984のパリ・ダカール・ラリーは、12,000kmに及ぶ悪路を20日間で走破する過酷なラリーとして知られています。426台の参加車両のうち、最終地点のダカールにたどり着いた車両が僅か148 台であったことからも、このラリーの過酷さが伺われます。 このラリーに参戦した3台の953は、René Metge 、Dominique Lemoyne らの#176が総合優勝、 Jacky Ickx 組の#175 6位、チーフ・メカニックが搭乗し実質的なサポートカーとして参戦した#177の車両も28位を記録しています。

この作品は、タミヤ(tamiya)1/24のポルシェ911ターボを改造したものです。 前後バンパーやフェンダー、内装を中心に手を加え、市販のデカールを使用して1984年のパリ・ダカール・ ラリーで優勝した車両に仕上げてみました。 最も過酷なラリーとして知られるパリ・ダカール・ラリーに初参戦で優勝してしまうあたりがポルシェらしいです。